実はとってもキケン!!住宅ローンのボーナス返済
~住宅ローンの返済にボーナス返済を入れるメリット・デメリットをシミュレーションから検証~

目次

  1. 1.【毎月返済分】シミュレーション
  2. 2.【ボーナス返済分】シミュレーション

住宅ローンの月々の返済額を少なくする方法として、毎月の返済と併せて年2回6か月ごとのボーナス支給時に返済額を増額して返済する「ボーナス返済」があります。毎月の返済額が少なくなるのはメリットではありますが、メリット・デメリットからボーナス返済について考えてみたいと思います。


まずは、「毎月の返済のみ」と「ボーナス返済」をした場合の利息総額と返済総額をシミュレーションから見ていきましょう。

借入額:3,200万円
借入期間:35年(420回)
ボーナス返済回数:70回
返済方法:元利均等返済
金利:1.32%(2020年2月 ARUHIフラット35 借入額9割以下金利)
毎月の返済額 ボーナス時の返済額
利息総額 返済総額
毎月返済額

ボーナス月
加算額
=合計
毎月返済利息

ボーナス返済利息
=合計
借入額に対するボーナス返済の割合 0%
毎月の返済のみ
9万5182円 795万8340円 3995万8340円
25%
(800万円)
7万1386円 7万1386円

14万2925円
21万4311円
596万8739円

200万226円
796万8965円
3996万8965円
35%
(1,120万円)
6万1868円 6万1868円

20万95円
26万1963円
517万2852円

280万346円
797万3198円
3997万3198円

上記シミュレーションの通り、ボーナス返済を入れた方が毎月返済額は低くなりますが、利息総額および返済総額はボーナス返済の比率が大きくなるほど高くなってきます。
その理由として、ボーナス返済を入れる場合は「毎月返済」と「ボーナス返済」の2本立ての住宅ローン返済となります。
利息額は元金に利率をかけて計算されますが下記、返済シミュレーションの通り「毎月返済」は毎月残高が減っていきますので、利息額も毎月減っていきます。
対して「ボーナス返済」は6か月ごと(1年に2回)しか残高が減らないため、その6か月の間に余分な利息が発生するため利息総額が増え、返済総額も上がってしまうのです。

1.【毎月返済分】シミュレーション(ボーナス返済割合 35%)                

毎月分返済額
回数 元本 利息 合計 残高
11 39,420 22,448 61,868 20,368,761
12 39,463 22,405 61,868 20,329,298
13 39,506 22,362 61,868 20,289,792
14 39,550 22,318 61,868 20,250,242
15 39,593 22,275 61,868 20,210,649
16 39,637 22,231 61,868 20,171,012
17 39,680 22,188 61,868 20,131,332
18 39,724 22,144 61,868 20,091,608
19 39,768 22,100 61,868 20,051,840
20 39,812 22,056 61,868 20,012,028
21 39,855 22,013 61,868 19,972,173
22 39,899 21,969 61,868 19,932,274
23 39,943 21,925 61,868 19,892,331
24 39,987 21,881 61,868 19,852,344
25 40,031 21,837 61,868 19,812,313
26 40,075 21,793 61,868 19,772,238
27 40,119 21,749 61,868 19,732,119
28 40,163 21,705 61,868 19,691,956
29 40,207 21,661 61,868 19,651,749

 

2.【ボーナス返済分】シミュレーション(ボーナス返済割合 35%)                 

ボーナス分返済額
回数 元本 利息 合計 残高
11 127,090 73,005 200,095 10,934,415
12
13
14
15
16
17 127,928 72,167 200,095 10,806,487
18
19
20
21
22
23 128,773 71,322 200,095 10,677,714
24
25
26
27
28
29 70,472 71,322 200,095 10,548,091

ボーナス返済のデメリットは返済総額が増えてしまうことだけではありません。
ボーナスは、企業の業績や景気の変動によって支給額が大きく左右されます。
また転職などで当初予定していた支給額を大きく下回ったり、個人の業績にスライドした年俸生になり収入そのものが変動してしまうかもしれません。「ボーナス返済」は支給額に確実性がないことがデメリットといえるでしょう。

住宅ローンは「借りることより返すこと」から考えます。ボーナス返済に頼るのではなく、毎月返済で返すことができる範囲で住宅の購入価格を決めましょう。

併せてお読みください
『住宅購入における資金計画のコワ~イ落とし穴・・・住宅ローン』