『新築一戸建てを建築中!!雨濡れの影響は?』

日本の年間降雨日数は平均で124日です。単純計算をすると3日に1度の割合で雨が降ることになります。
新築住宅建築中は雨に降ってほしくはないとは思っても、どうしても雨にあたってしまいます。その場合の住宅に対する影響はどうなのでしょうか。まったく影響が出ない場合・多少影響が出る場合・大きく影響が出てしまう場合がありますが、雨濡れの影響に対してきちんと処置がされていれば、木材が腐ってしまう、竣工後カビだらけになってしまう、断熱性能が落ちるといった心配はいらなくなります。ここでは木造(在来工法)中心に建築の工程の順に沿って雨濡れの影響と注意点を解説します。
*木造(2×4工法)、鉄骨造についてはハウスメーカー(施工会社)に確認しましょう。

    工程        雨濡れ影響        注意点
   基礎工事
①基礎の鉄筋は組み込まれたが、コンクリート打設前
ほとんどない 雨濡れによりむき出しの状態の鉄筋
が多少錆たとしても、錆た部分を清掃する程度で基本的にはOK。
   基礎工事
②コンクリート打設中
コンクリートの強度に大きく影響する。 事前に天候を確認し、コンクリート
強度に大きく影響する雨のリスクが
あるときはコンクリート打設工事は
延期される。
   基礎工事
③コンクリート打設後のアンカーボルト(基礎と建物をつなぐ)
アンカーボルトは錆防止の加工がされてい
るが、長時間雨にさらされることにより加
工がはがれ錆びてしまうことがある。建物
完成後の耐久性に影響が出る場合もある
ので、錆の状態によっては交換が必要。
錆の状態をよく確認する。
   基礎工事
④基礎(コンクリート)
 打設後、基礎の中の水
 たまり
心配は無用。 かえって、コンクリート完成後、急激な乾燥によるひび割れを防ぐ。
 基礎工事後上棟前
⑤土台敷き
 (基礎の上にその土台となる木材を敷く)
土台や柱など、木材が濡れても乾燥すれば
問題はない。
雨濡れを防ぐためにブルーシートなどで養生をする。乾燥後は、乾燥状態を確認すると良い。
水分計を使い水分率を計測する。
含水率は20%が目安だが、ハウスメーカーによっては15%を基準としている。
 基礎工事後上棟前
⑥床の構造用(床下地)合板が施工される
構造用(床下地)合板が雨濡れすると変形
をしたり、カビが繁殖することもある。
十分に乾燥してから変形を確認する。凸凹
している、波打っている場合は要注意。
合板の上にフローリングを敷くが、合板は
真っすぐが大前提。変形したままフローリ
ングを敷くと床鳴りの原因となる。変形が
ひどかったり腐食してしまった場合は交換
が必要となる。
基本的にはブルーシートなどでしっかり養生し雨濡れの影響を防ぐ。まれに人手不足などを理由に養生まで手が回らなかったなどを理由に養生せず残念な結果となった例もある。
    上棟後
⑦防水工事をしないまま雨濡れした
大きな影響はないが確認が重要。 住宅建築には十分に乾燥させた木材
を使用しているため、雨ざらしになってしまっても、しっかり乾燥させれば問題はない。
ただし乾燥させた後に変色部分がないかチェックする。
木材がしっかり乾燥していない状態で工事が進むとカビや腐食の原因となったり、断熱材が雨水を吸い込んでしまい断熱性能に影響を及ぼす。
ここでも水分計を使い水分率を確認
すると安心。
 外壁が施工された後 ほとんど心配はない。 雨により工事が中断された後、工事再開のタイミングによっては、室内側に雨染みが残っていたり、敷地から床下に雨水が侵入している場合もありますので、確認は必要。床下に雨水が侵入すると、乾きにくくカビの原因となる。

*上記、示した通り降雨により工事が中断し、工事再開のタイミングによっては大きなトラブル発生の原因となります。施工中の降雨対策や工事再開時の確認については、着工前の打ち合わせの時にハウスメーカー(施工会社)に確認をしておきましょう。また、降雨の影響で工期が遅れることも十分に考えられますので竣工時期までのスケジュールには余裕を持たせておきましょう。特に、お子さまの入園・入学・転校時期、また賃貸契約の解約時期に配慮することも忘れないようにすることが重要です。住宅を建築する地域によっては台風の通り道になりやすい、降雪地帯であるなど地域性も考慮して、着工~竣工までのスケジュールをハウスメーカー(施工会社)と入念な打ち合わせをし、よりベストな建築時期を選ぶと良いでしょう。